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まちづくりを大きく進めるのは、リスク認識とスピード意識を変えること

AIAでは民間事業を通じたまちづくりを主軸においているため、常に各地でまちづくり事業の立ち上げを進めています。
その時に感じるのは、ほとんど地域においてまちづくり事業に取り組む際の課題に「地域差」はないということです。むしろ、まちづくり事業に取り組む個人の性格特性に依存するところが大きいと感じます。中核的にまちづくり事業を共に立ち上げる人の育った家庭環境、学生時代や社会人時代における仕事の仕方といったキャリアから得ているスキルや能力などです。
 
これらに影響を受けることとして「リスク認識」と「スピード意識」があります。
 

リスク認識

まずリスク認識です。
完全を目指していく性格の人間、極端に臆病で前に踏み出さない人間が非常に多いと見られます。地方の閉塞感の一つはこのリスク認識にあります。ある意味で日本社会全体にも言えることかもしれません。
 
戦後に事業を興した様々な経営者ーー小さなお店から大きな企業の会長さんまで、戦争を生き抜いた世代のリスクは「死ぬ」ということだと明確に言われることが多いです。命を取られる、自分だけでなく家族や仲間までも。それがないということ=リスクはない、という考え方を言われました。
たとえ何かを失うとしても命を奪われなければどうにでもなる。外地に戦いにいったり、空襲におそわれながらも生き残り、ルールもない戦後混乱期に事業をやっていた海千山千の人たちには「死なない世の中」ほどリスクのない社会はなかったのでしょう。
 
しかし、完全な戦後世代は、このリスクに対する意識がより高次元の認識になっています。変化時代をリスクと呼ぶ人もいます。しかし、「変わらない」というリスクもある。
 
地域活性化はある意味では変革です。これまでの方法でうまくいかなくなっている地域経済などの構造を大きく変える、そのために動かなくてはいけないわけです。だから極端にリスクに臆病な人だけで議論をしていては解決策は見出せません。
 
まちづくり会社のチームとの事業開発会議では、時折「こうなったらどうしよう」といったような、心配話をどんどん言いまくる空気にその場がなることがあります。全く解決策を言うのではなく、単に心配話だけをしていくわけです。これは全く意味がありません。
 
事業は関係者に対して合理的に考える必要があります。それは心理的な問題も含めてです。しかし事業を牽引するチーム自体が不安になってはいけません。一種の確信をもとに、心配話を指摘するのであれば、それとセットで解決策を必死で考え抜かないといけません。
 
「1つの問題点を指摘したら、3つの解決策を提案する」
 
こういう意識がなければ、事業開発の主体にはなれません。その時の心配も根拠がないものが多かったり、解決策はいくらでも思いつくものばかりだったりします。つまり単なるメンタリティの問題であることが多いわけです。
 
これをやらないと、「色々と心配なものはやらない」という方向に働きます。つまり結果的にいくらプロセスを踏んでも現状変革に繋がらず、事業に取り組まないという結論に至るのです。
 

 
とはいえ無謀ではいけません。つまりリスクは大いに乗り越えるという意識のもとに、問題点を整理し、合理的に解決していく手段を考えれば何も怖くないのです。それを何か心配なことがあることはやらないという話になる。これはあらゆる分野で問題になることと思います。失敗があってもそこから学べばいい、一番のリスクは命を失うことですが、そんなことはほとんどありませんので。
 
リスクについて一度、合理的にも、また心理的にもそれぞれの人が客観的に自分自身のスタンスを整理してから、まちづくり事業に取り組まないといけないと思います。
 

スピード意識

もう1つはスピード意識です。
 
これも重要なポイントです。同じことでも1時間でやることと、3日かけてやることでは全く進み方が変わります。当たり前だと思われるかもしれませんが、この当たり前のことがなかなかできなかったりします。実務的にできないというのは改善策はあるのですが、それぞれでスピード意識が違う、ここがチームプレーをする際の障壁になったりします。
 
スピード意識のベースにあるのは、個人的なテンポを司るストレス耐性と処理能力です。スピードを高めたいと思うのは自分をある意味で追い込んでいってもそんなにストレスを感じない人たちです。ただこれが慣れていない人からすると「責め立てられる」というようなストレスを感じることが多いようです。だからスピードに対するストレス耐性は重要なことで、これも地域性はなく幼い頃からの環境、個人能力やスキル、経験に依拠する傾向にあります。
 

 
処理能力はトレーニングで上下します。時間コントロール含めて。自分のリソースの中で処理をしていくプランをたてて、できるだけ短時間に答えを出すことにどれだけ貪欲になれるか。
先のリスク意識について話した心配話大会についても同様で、「問題だ」と気づいたら、それの解決策をその場で結論だす人がいる一方で、スピード意識がないと「次回までに皆で考えて持ち寄りましょう」といいだす人もいます。その場で追い込みながら答えまで出さないと、次回までの時間の間、薄く長く関係者の思考リソースを失うというような感覚にならないのです。ずーっと物事を考えていると、マルチタスクの一つが埋まるので非効率です。課題解決はその場でやって、次回までの間にはもっと建設的な仕事をやっていかないとだめです。
 
ま、つまりは「死なないものはリスクと言わない」「問題点はその場で解決策を提案すること」「スピードを互いに早めるための努力と工夫をする」「次回までに持ち寄りましょうはNG」といったあたりでしょうか。
 
なかなかうちのまちづくり事業が形にならないんだよねー、というところはこれらの意識が低い人たちが集まっている場合が多いです。
 
関係者で集まって問題点や心配話は沢山出るけど解決策は誰としてうーんと悩んでばかりで出ず、結局は時間切れになって次回までに考えてきましょう!、なんて会議やっていませんか??

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