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まちづくりで起業したい!と思っている人が読むべき10の本

まちづくり分野に関心を高く持つ方が増加していますが、起業するその前に読むべき本というのを質問されることが結構あるので、いくつか紹介します。
私はまちづくりで起業するというのは、「まちを変える、ベンチャー企業」を興すことと考えています。現在まちが抱えるている課題解決かもしれないし、もしかすると全く違う価値を生み出すための創造的事業かもしれません。どちらにしても、野心的に地域の変革を事業を通じて仕掛けていこうとするアクションと考えています。

そのためにまずは読んでみよう! と思う本が以下の10冊。
かなり有名な本ばかりなので、私なりにこれらの本から得るべき「まちづくり事業を興す上で重要な気づき」について書いていきます。(木下斉)

 

まちづくりで起業したい!と思っている人が読むべき10の本

 
1. 創造の方法学 (講談社現代新書 553)
 
まちの現状や課題を分析する上で不可欠なのは「ロジカル・シンキング」。
感情だけでなく、構造的に問題を理解し、その全体像を整理するためには「原因と結果」の関係を常に意識しながら整理していくことが大切です。常に議論にはロジックをベースに考える癖が必要で、そのためには考える理解するための式を頭に入れておく必要があります。それがよく待っまています。
まちの人達が「困った」というのをそのまま受け止めるのではなく、一歩立ち止まって、それは何故発生しているのか、に立ち戻る力を養わせてくれるのがこの一冊。

 
 
2. イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
 
まちを変革するときに、従来の強大な企業や団体が壁となることもあります。しかしそこで「大きい物には勝てない」と思い込まないこと。状況をひっくり返すイノベーションについてヒントを与えてくれます。単に活動にだらだらと取り組んでいて、まちは変化するはずがありません。
自分たちが取り組む事業が、まちにイノベーションを興すために必要な、考える力を養える一冊。

 
 
3. リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす

今年話題の一冊だが、日本企業の競争力の源泉をもとに、プロジェクトを成功に導くための方法を体系化した一冊。
まちづくりでは、合意形成などで入念な準備をしすぎて失敗するケースが沢山あります。僕らが小規模に事業を始めるに当たって優先すべきものは、皆の合意や入念な準備ではなく、まず早く手がけて、どんどん事業を変化させて環境に適応させること。なぜそれが大切で、どう実現していけばよいのかを頭に叩き込める一冊。

 
 
4. ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
 
ビジネス小説の名著の一つ。これまた日本製造業の強みを分析した上で、ビジネスをどう捉えていくべきかを記したもの。
この本で僕らが気づくべきは「木を見て森を見ず」からの脱却。
まちづくり事業は、単にその取り組む事業が儲かればいいってものでもありません。(もちろん儲からないと継続できないので利益を挙げることはマストです)
僕らが取り組むに値するまちづくり事業はまちを変革に導くことが必要であり、そのためには”まちの全体像”を捉えて、そのどこが問題で、どれを改善すれば、まち全体が生み出すスループットを上げられるかということを考える必要があります。まちに必要な変化を生み出す呼び水となるような事業であればベストなのです。
この本は、サプライチェーンの概念をもとに全体最適を達成する内容ですが、まちづくりにおいて、まち全体の変革に必要なポイントをつかみ、どう課題解決していくかを考えるためには大いに役立つ一冊。(プロジェクトマネジメントにより特化した、「クリティカルチェーン」もある。)

 
 
5. 経営戦略の論理
 
まちづくり事業を考えるに当たって、「思いつき」では成果を挙げることはかなり困難です。
事業を推進する上では、他社との差別化も考えなくてはなりません。まちづくり事業だから、まち中の人に使ってもらえるコミュニティカフェを、と言葉ではいっても、消費者の方々はカフェという業態であれば他社の一般のチェーン展開しているカフェと商品・サービスクウォリティを比較し、見合うものかどうか試されます。コミュニティ自体は補完的な要素であり、あくまで店としてしっかりしたものを目指さないと、コミュニティという甘美な言葉に流されて、いい加減な店作りで潰れることも少なくありません。
 
一つの事業を推進する上で、どういう枠組みで事業が持つ条件を設定すれば良いのか。
商品、価格、補助的サービス、ブランド。さらにはこれらを強くするためのサプライチェーンのあり方などなどを体系的に整理されているので、考えをまとめるのに役立ちます。
事業決定の時に羅針盤を失っている方にはぜひ読んで頂き、自分たちが誰に何をどのようにして提供し、他社よりも魅力的にするためにはどういう努力をすべきか考えさせてくれる一冊。

 
 
6. キャズム
 
テック業界の新規商品普及プロセスをまとめたマーケ本として有名なキャズム。
実はまちづくり事業を地域で推進する上でも、どれだけ普及すればティッキングポイントを迎えるかというのを判断するのに、一つのヒントを与えてくれる。
どのような普及プロセスで地域を巻き込んでいくのか。まずはリーンスタートアップのようにひとまずはサービスを始め、徐々に高度化しながら、キャズムを超えるというイメージを持とう。
この本を読めば、この意味が分かる。

 
 
7. 決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)
 
財務諸表が読めないんです、という話を聞きます。
事業をやる以上は、その数字が読めないと大変苦労します。事業を通じてどう稼ぐかということと共に、どう資金調達して投資するか。資金繰りをどうすれば良いのか。これらの数値管理をするために基礎的な財務知識は必要です。
この本は超初心者向けに財務諸表を一体的に理解してもらうために書かれた本。まずはこの本のレベルで「経営数値が読める」ようになろう! 財務分析Lv.1になるために最適な一冊。

 
 
8. 希望の国のエクソダス (文春文庫)
 
ここで少し変わり種をご紹介。
地域が自立していくってどういう道があるのかな、ということを考えさせてくれるフィクションではあるけど、色々と想像をふくらませられる小説です。若者たちが事業を起こして独立地域を創り上げるという一つのシナリオは過激ではあるが、今でもセセコマシイ事業の話だけでなく、もう少しビッグヴィジョンをぶちあげなくてはと奮起したくなる。このころの村上龍は面白かったな。
自分たちの地域をどう自立させていくのかを考える上で、仲間で大いに盛り上がれる一冊だ。

 
 
9. V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)
 
これは企業再生の本です。しかし、全て「地域再生に役立つ問題解決方法」に転換して考えることが可能なリアルなビジネス小説。ターンアラウンド分野の言わずも知れた名著です。
潰れかけた企業再生は、潰れかけた地域再生とほんど変わりません。勿論、組織的なモデルとかの違いはあれど、大してその構造的な問題は変わらないものです。地域で変革を興す上でどういうチームが組織し、どのようなプロセスで目標達成していくのか、というのを具体的に示している本。単なる小説ではなく、著者は自らが様々な企業再生を手がけてきた人物だけに、リアルな内容と考えるべきポイントを的確にまとめられている。
 
僕らが地域を変革するためのシナリオを考える上で、この本は全てが参考になる必読の一冊。

 
 
10. まちづくりの「経営力」養成講座
 
えー最後に拙著で恐縮ですが、これらの本とかのエッセンスをまとめて、まちづくりのケーススタディを適合しながら説明しているのが「まちづくりの経営力養成講座」です。これまでありそうでなかった、まちづくりの経営本、ということで、入門の入門の一冊にしています。

まちで小さな事業を始めるときに何から考え始めればいいのか、その手順書になるような構成にしていることから、事業を始める前、事業を始めた後双方で読んで頂けると、参考になるポイントが変わってくるものと思います。手前味噌ですが、まちづくりを事業として取り組む上ではぜひとも読んで頂きたい一冊。
ま、10冊くらいですので、ぜひ読んだことがないものがあれば読んでいただければと思います。どれもよく知られた本だけあって、比較的どれも読みやすいです。

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