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「まちづくり:デッドライン」

 
まちづくりの「経営力」養成講座から3年。AIA代表理事の木下がトーンアンドマターの広瀬郁氏と共に新刊を世に送り出します。その名も「まちづくりデッドライン」

表紙

本書は、日本の都市中心部における既存ストック活用とまちづくり事業経営をベースにして、「如何にして時代の変化に対応する方法を見つけるか」を考えた本です。

今回は、冒頭になぜに世代間でまちの活性化のイメージが異なるのか、ということで戦後経済発展とまちの話をダイジェストですが、まとめました。世代によって「まちのありかた」や「期待する姿」が全くことなるというところから、どうまちを取り巻く環境が変わってしまったのか、とかを軽めの統計も使って説明しています。

日本の地方中核都市のほとんどは第二次大戦によって被害を受けて、その後戦後復興と共に拡充していきます。これは人口の増加、産業復興など複数のプラス要因によって都市機能を拡充しないと、人々の生活が成り立たないという時代だったからです。当時は「創ることに市場性と社会性がある」時代でした。それが正解だったのです。

しかし今は大きく逆転しました。全てのインディケーターが逆転して縮小していく中で、「創ることに市場性も社会性もない」時代に入りつつあります。少なくとも中心部が衰退するという要因の中には、この時代変化の中で、どう中心部が優位性を持てるかという問題に、経営的な見方をし、組み換えをしていく必要があります。

そこで、本書ではまちの構造変革をさらに経営的なバリューネットワークの整理から見定め、変革点を見出し、具体的アクションに繋げていく考え方を提示しました。流れが変わったのであれば、変わったものにどう対応するかという視点にかえていこうというものです。既存ストックを活用すれば膨大な新規投資も必要なく、限られた資金でも中心部に活用可能な空間を作り出すことができます。そしてそのようなケースは全国各地で見られるようになり、活力を生み出してきています。

本書それを補強するのに十分な全国のケーススタディも用意し、紹介だけでなく、そのケースの読み解き方も入れています。ケーススタディは単に見て「ほーそうなのか」と分かるだけでは意味がなく、何がフレームワークに沿った方法をしていて、どう工夫しているのかというポイントを理解しないと自分たちの地域にとってプラスになりません。

そして最後に、具体的にまちに残された可能性と課題についても整理し、具体的アクションする際の指針を示しています。

地方都市において自分たちが「守りたいという想い」を持つエリアを、守るために必要な「力」をつけてもらうための一冊として纏めました。だからこそ、「まちづくり:デッドライン」というショッキングな名前をつけました。

もう時間はありません。明日から行動するために、この一冊を手にとっていただければ幸いです。

【目次】
CHAPTER 1
お金とお客は「正直」だ まちの姿にはワケがある
1-1 都市の中心部と郊外 君はどう感じるか?
1-2 まちの「表の顔」から 個性が消えていった…
1-3 ひっそりと守られた まちの裏側の「趣き」
1-4 転換期の幕開けが来た まちの流れは変わる!

CHAPTER 2
まちはなぜ大きくなった? 統計の「数字」から遡る
2-1 新しい時代の価値観は 新しいゴールを求める
2-2 数字の動きから把握する まちの拡大・縮小の原理
2-3-1 製造力の拡大から転換し まちの維持が課題になる
2-3-2 終戦~1950年代
2-3-3 1960~1970年代
2-3-4 1980~1990年代
2-3-5 2000年代~現在
2-4 これからの「つくる」は「 量の供給」とは違う

CHAPTER 3
まちの「仕組み」を まずは頭に入れよう
3-1 プレイヤーのつながりを見渡し まちを理解する
3-2 お金の「整理の方法」から まち全体をイメージする
3-3 経営の視点を持ち込み「 血行」の改善を図る
3-4-1 売る⇔買う
3-4-2 仕入れる/ つくる
3-4-3 貸す~借りる
3-4-4 建てる
3-5 そこに「集まる」ことで 固有の魅力が生まれる

■CHAPTER 4
全てがひっくり返った 発想を逆転させよう
4-1 「いい時代」が過去になり 常識がガラッと変わる
4-2 供給者優位が終わり 全て消費者の主導に
4-3 関係の逆転を前提に まちをつくり変える

[逆転時代のモデル]
4-4 新たな挑戦者のために 安くても儲かる構造に
4-4-1 市・屋台
4-4-2 DIY・セルフビルド
4-5 複数の収入源を確保 相乗効果を持たせる
4-5-1 ネット販売
4-5-2 コンバージョン(用途転用)
4-6 集まる強みを生かして コストの構造を見直す
4-6-1 シェア
4-6-2 コラボレーション
4-7 複数の役割を兼ね 粗利を大きくする
4-7-1 製造小売

■CHAPTER 5
日本の各地で胎動が それぞれの「守り方」
5-1 まち間の競争を常に意識し 一体になって守りを固める
5-2-1 枚方宿くらわんか五六市、鍵屋別館(大阪・枚方市)
5-2-2 北の屋台(北海道・帯広市)
5-2-3 北浜alley、N.Y. GALLERY(香川・高松市)
5-2-4 co-lab(東京・渋谷ほか)
5-2-5 メルカート三番街/ポポラート三番街(福岡・北九州市)
キープレイヤーに聞く 嶋田洋平さん/企画・設計者
5-2-6 米子市中心市街地活性化(鳥取・米子市)
キープレイヤーに聞く 杉谷第士郎さん/タウンマネージャー

■CHAPTER 6
すぐに実行に移そう 変革を導くステップ
6-1 無理をせずに利益を生む それが力を取り戻す源泉
6-2 まちを事業体に見立て それぞれの役割を再考
6-3 資産活用や費用削減 基本に忠実に進める

[エリアを守り、まちを変革する7つのステップ]
6-4-1 ステップ1:まずは守り抜く エリアを決めろ
6-4-2 ステップ2:まちに残る資源を 手元にかき集めろ
6-4-3 ステップ3:まちづくり会社をつくって すぐに行動開始せよ
6-4-4 ステップ4:機敏に動けるように 独自の作戦を立てろ
6-4-5 ステップ5:スピードを緩めずに 成果の連鎖を起こせ
6-4-6 ステップ6:成功には安住せずに 新たな策を繰り出せ
6-4-7 ステップ7:手を離せるくらいに 変革を軌道に乗せろ
6-5 まちの変革に向かい 現場が直面する課題

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